36歳から始めた合気道、20年以上続けて思うこと

小さな行動が人生を変える

私は36歳のときに合気道を始めました。

当時は、リクルートという忙しい会社で営業の仕事をしていました。

平日は朝から夜まで働き、週末も仕事のことを考えているような生活です。

そんな中で武道を始めたのですから、今思えば少し不思議な気もします。

とはいえ、最初から

「武道の道を究めよう」

と思っていたわけではありません。

きっかけは、もっと単純なものでした。

子どもの頃、映画で見たブルース・リーに憧れていたのです。

あの時代の男の子は、だいたい一度は

「武道って格好いいな」

と思ったのではないでしょうか。

私も同じでした。

ただ、子どもの頃は中国武術や空手といった部活があるわけでもなく、

武道はどこか別世界のもののように感じていて、結局習うことはありませんでした。

大人になってからも、

「武道をやってみたいな」

という気持ちは、どこかに残っていました。

しかし忙しい日々の中で、そういうことは後回しになります。


「後悔しない人生」を考えたとき

30代半ばの頃、あることを考えるようになりました。

人生の終わりに、後悔しないだろうか。

読書をする中で、何度も目にした言葉があります。

「人は、やったことより

 やらなかったことを後悔する」

その言葉を読んだとき、ふと思いました。

「そういえば、武道をやってみたいと思っていたな」

もし今始めなければ、

10年後も同じことを思っているのではないか。

そう考えて、道場を探すことにしました。


いくつか見学して、合気道に出会った

武道を習うと決めて、いくつかの道場を見学しました。

空手

剣術

いろいろ見ました。

その中で出会ったのが、合気道でした。

理由はとても現実的です。

家から近いこと。

そして、土日にも稽古があったことです。

仕事も家庭もある中で、

続けるためには「通えること」が大事でした。

妻にも相談して、

まずは日曜日の朝の稽古から始めることにしました。

週に一度です。


気がつけば20年以上続いている

最初から

「何十年も続けよう」

と思っていたわけではありません。

ただ、週に一度道場に通う。

それを続けているうちに、

合気道がある生活が当たり前になっていきました。

最初は日曜日の朝だけだった稽古も、

そのうち

水曜日の夜

土曜日の夜

と、少しずつ増えていきました。

そして気がつけば、20年以上続いています。

段位も少しずつ上がり、

今では五段になりました。


実は、最初は「今さら」と思っていた

ただ、合気道を始めるときに

正直こう思っていました。

「今さら始めてもな…」

36歳という年齢は、武道の世界では決して若くありません。

体力もピークを過ぎているし、

今から始めても達人にはなれないだろうなと思っていました。

ところが、20年続けてみると、

当時の自分が想像していたよりは、ずいぶん達人っぽくはなっています(笑)

この経験は、自分の中で一つの成功体験になりました。

人は、思っているより何歳からでも成長できる。

そう思えるようになったのです。

その延長で、57歳のときに

もう一つ新しいことを始めました。

カポエイラです。

最初の練習は、かなりきつかったですね。

動きについていけない。

翌日は、とんでもない筋肉痛。

正直、少し途方にくれました。

それでも3ヶ月ほど続けると、

ようやく週1回の練習についていけるようになりました。

そのとき、改めて思いました。

やっぱり、何歳からでも始められる。


合気道から日本文化に興味が広がった

合気道を続けていると、

自然と日本文化にも興味を持つようになりました。

合気道の開祖・植芝盛平は、大本教の信者でした。

開祖の言葉を読んでいると、神道を知らなければ理解できないものも多くあります。

そこから神道の本を読むようになり、

神社巡りをするようになりました。

また、合気道の理合いは

「剣の理合い」と言われています。

そのため剣術を習ったこともあります。

そのとき、ふと思いました。

日本に生まれているのに、

剣の扱い方も、着物の帯の結び方も知らなかったのか。

そこから

茶道

書道

三線

など、日本文化にも興味が広がっていきました。

気がつけば、周りの経営者がワインを語る中、

ひとり日本酒を語るようにもなりました。

合気道が入口になって、

世界が少し広がったような感覚があります。


合気道で感じる、いくつかの効果

合気道を続けていて感じることもいくつかあります。

まず、ストレス解消です。

どれだけ仕事でストレスを感じていても、

道場で1時間集中して稽古すると、驚くほどスッキリします。

道場という空間は、

日常とはまったく違う場所です。

正座をして黙想し、礼をする。

それだけで気持ちが切り替わります。

また、適度な運動になるので、

ぐっすり眠れるようにもなります。

姿勢も変わりました。

歩き方も変わったと思います。

そしてもう一つ。

合気道は「戦わない武道」です。

そのため、

力まない

争わない

という考え方にも影響を受けたように思います。


人生は習慣でできている

20年以上続けて思うのは、

人生は習慣でできている

ということです。

合気道を始めたときも、

最初から人生が変わるような出来事ではありませんでした。

ただ、週に一度通う。

それを続けていくうちに、

生活の中に組み込まれていきました。

今では

読書

合気道

カポエイラ

ゴルフ

筋トレ

神社巡り

茶道

といったことが、

当たり前の習慣になっています。


小さな行動が人生を変える

人生は、いきなり大きく変わることはあまりありません。

ただ、

小さな行動を始める

それを続ける

その積み重ねが、

気がつけば人生を形づくっているように思います。

たとえば、ピアノの話があります。

「娘の結婚式でピアノを弾けたらいいな」

そう思うことは誰にでもあります。

でも何もしなければ、

10年後も同じことを思っているだけです。

一方で、

今日ピアノ教室を探して

週に少しだけ練習する時間をつくれば、

10年後には、

少しだけ弾けるようになっている自分がいるかもしれません。

どちらも同じ10年です。

だったら、

少しでもできるようになっている人生の方が

面白いと思いませんか。

36歳のとき、

「ちょっとやってみようかな」と思って

日曜日の朝に道場へ行きました。

もしあのとき行かなければ、

今でも

「武道をやってみたいな」

と思っているだけだったかもしれません。

人生は、そんな小さな選択の積み重ねで

できているのかもしれません。


もし

「いつかやってみたい」

と思っていることがあるなら、

一度試してみるのもいいかもしれません。

10年後に

「やっておけばよかった」

と思うよりは、

やってみた方が

きっと面白い人生になると思います。

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