由布院から足が遠のいていた理由
コロナ前に由布院に行った時、正直少し引きました。
メイン通りが観光客で埋まっていて、日本人より外国人の方が多いんじゃないかと思うくらい。
お店の店員さんも外国の方で、「由布院もこんなになっちゃったか」と少し悲しくなりました。
それ以来、なんとなく足が遠のいていました。
今回、妻の一言でまた由布院に行くことになりました。
「由布院御三家、行ってみたいよね」
由布院御三家とは、由布院を代表する宿として知られる「亀の井別荘」「玉の湯」「山荘 無量塔」のことです。
正直、あまり乗り気ではありませんでした。
ただ、一度も由布院の名旅館に泊まらずに、街の印象だけで判断するのもどうなんだろうと思い、今回は玉の湯に宿泊することにしました。
玉の湯に入った瞬間、印象が変わった
でも、玉の湯に入った瞬間に少し印象が変わりました。
宿はメイン通りから一本入った小川沿いにあります。
入口から小道を歩いていくのですが、緑に囲まれていて、森の中の匂いと空気に包まれます。
待合のロビーには暖炉があり、そこでお茶をいただきながらチェックイン。
この時点で「あれ、いいかもしれない」と思いました。
雑木林に囲まれた部屋で過ごす時間
部屋は新しい感じではありません。
むしろ、古い建物を丁寧に手入れしながら使っている印象です。
大きな窓の外には庭というより雑木林が広がっています。
それだけで十分だと思える景色でした。
私は海が見える旅館が好きでよく泊まります。
でも、雑木林に囲まれた部屋というのもいいものだなと改めて思いました。
部屋全体の居心地は良かったのですが、少しプライバシーが弱いなと感じる部分もありました。
そこは正直な感想として残ります。
温泉は普通。でも大浴場が良かった
温泉は正直に言うと普通です。
九州生まれなので温泉には少しうるさいのです。
トロトロした泉質で、熱すぎないお湯が好みです。
単純泉ということもあって、別府の温泉と比べると印象は少し弱いでしょうか。
ただ、大浴場はほとんど人がいませんでした。
タイミングによっては完全に一人。
内風呂はぬるめで、露天風呂は少し熱め。
何も考えずに長く入れる感じで、結果的には部屋風呂よりも大浴場のほうが気に入りました。
食事は期待どおり。そして朝の時間が最高だった
夕食も美味しかったです。
このクラスの旅館としては十分にレベルは高いと思います。
ただ、自分の中では想像の範囲内でした。
あと、日本酒の品揃えが自分好みではなかったという個人的な理由で、少しだけ評価が下がりました。
翌朝は部屋の温泉に入り、その後テラスでコーヒーを飲みました。
外は少し肌寒いくらい。
温泉で温まった身体にはちょうどいい気温です。
鳥の声がやたら近い。
温かいコーヒーを飲みながら、木々の緑とその先に広がる青空をぼんやり眺める。
何か特別なことをしているわけではありません。
それなのに、これで十分だなと思える時間でした。
朝の金鱗湖を散歩する
その後、金鱗湖まで歩きました。
旅館から8分ほど。
川沿いの小道を歩いていくルートで、これがまた気持ちいい。
水の音と鳥の声だけが聞こえます。
ああいう時間はやっぱりいいなと思います。
ただ、朝7時くらいでも人はそこそこいます。
やはり人気の観光地なんだなと感じました。
もう一度行ってみないとわからない
それでも、また来てもいいなと思えたのは、雑木林に囲まれた宿の静寂と空気を堪能できたからだと思います。
外のメイン通りが賑やかなのも、一度で違う二つの雰囲気を楽しめると思えば悪くありません。
由布院にはもう行かなくてもいいかなと思っていました。
外国人観光客が多くて、観光地化が進みすぎた街。
そんなイメージだけが残っていました。
でも実際に泊まってみると、メイン通りの賑わいとは別に、静かな時間が流れる場所がありました。
玉の湯の雑木林の庭もそうですし、朝の金鱗湖までの散歩道もそうです。
もちろん、すべてが好みだったわけではありません。
温泉も食事も、自分の中では「期待を大きく超える」というほどではありませんでした。
それでも、行ってよかったと思います。
なぜなら、昔の印象だけで判断していた由布院とは、まったく違う景色を見ることができたからです。
年齢を重ねると、どうしても経験が増えて、
「それは知っている」
「たぶんこうだろう」
と判断することが増えてきます。
でも、本当はもう一度行ってみないとわからない。
今回の由布院は、そんなことを思わせてくれる旅でした。
